■珈琲道場 |
|
10.ちょっとコヒー文化を語ろう22008.1.22〜 |
10.コーヒー文化を語ろう 10.1 コーヒー文化とは? 「文化」という言葉は難しい言葉でいろいろな意味があります。「文化」は英語では「culture」。「culture」の意味はNELSON’S SCHOOL DICTIONARYによると、1.preparation for the growth of crops (栽培) 2.training of the mind(修養) 3.refinement(教養) 10.2 コーヒーの栽培文化の例 コーヒーの原産地はエチオピアといわれ、コーヒーの栽培を始めたのはイエメンといわれています。これらの地域には素晴らしいコーヒーを中心とした文化が残されています。 (1)エチオピア・ジェルジェルツー村 エチオピアのハラール地方にあるジェルジェルツー村一帯は約500年以上前、16世紀頃にコーヒーの栽培が始められたとエチオピアの資料に記されているようです。この地域は標高1800m前後、火山性土壌、雨季と乾季があり、雨量が年間2000mm以上で、コーヒー栽培に適する気候風土にめぐまれたところです。ジェルジェルツー村一帯は古い栽培法が現存する栽培地で、現存する「世界最古の農園」と考えられています。ジェルジェルツー村の農園の特徴は、昔の栽培法を守り、カットバックしていないので、7〜8mにもなる樹齢150~200年のコーヒーの木が林立しています。コーヒー豆の収穫は黒く完熟したコーヒーの実をラダーという三脚梯子にのぼり手摘みで採取しています。黄色いゴールデン・ビーンズと呼ばれる豆にはモカ特有の独特の風味があります。 参考:1.森光宗男著「エチオピア、コーヒー野原風景と提言―前編・後編―」 (2)イエメン・モカ港とバニーマタルおよびバニーイスマイル イエメンはエチオピアの対岸のアラビア半島にあるアジアの国です。世界最初の珈琲の栽培地といわれています。栽培が行なわれたのは15世紀後半(一説には6世紀)とされています。イエメンのモカ港はエチオピアとイエメンのコーヒーの輸出港として栄えたところ。いまでも、その名残りの建物が現存しています。エチオピアとイエメンのコーヒーがモカ・コーヒーという名で呼ばれるのは輸出港であるモカからきています。コーヒーの産地は主として山岳地で、モカマタリで有名なバニーマタルは首都サナアから西へ50km(自動車で1時間位)のところです。イブラヒム・モカの産地であるバニーイスマイルはさらに奥地にあります。モカ・マタリもイブラヒム・モカも小粒のコーヒー豆で、市販されているコーヒー豆では最も小さい部類に属します。しかしその香味は独特のモカ・フレーバーに、フルーツあるいはワインのような酸味とまろやかで深い味わいを有しています。 参考:1.「エチオピア、コーヒー野原風景と提言―前編・後編―」森光宗男著 (3)ブラジル・サンパウロ州とサントス市 ブラジルのコーヒー栽培は現在、世界一の生産量を誇っていますが、1727年にブラジル・パラ州に移植されたのがスタートです。1780年にサンパウロ州にコーヒーが移植・栽培され、飛躍的に発展・拡大しました。1922年にサントス市に公認珈琲取引所(ボルサ・オフィシャル・デ・カフェ)が設立され、1927/1928年に第一回目の生産量のピーク(169万トン)を迎えました。サンパウロ州とサントス市がコーヒーのメッカと呼ばれる由縁です。サントス市には公認珈琲取引所(ボルサ・オフィシャル・デ・カフェ)の素晴らしい建物がコーヒー博物館として現存しており、当時を偲ぶことが出来ます。ブラジルのカフェ(バールという)ではカフェ・ジーニョとよばれる、濃厚で苦味のあるコーヒーが小さなデミ・カップ(容量70~80cc、コーヒーの量で50~60cc位)で出できます。コーヒーのカップはお店の顔のようなもので、オリジナルのデザインで作られていて、カップを見るのも楽しみの一つです。 参考:1.「O PALACIO do CAFE(The Coffee Palace)」 10.3 コーヒーの飲用文化の例 コーヒーの飲用はエチオピアピアからはじまり回教徒によってアラビアからイラク、エジプト、トルコに伝えられていったようです。豆も葉も利用していたようです。また最初の頃は薬用として用いられたようです。コーヒーの健康に関する研究がさらに行なわれ、その効果が一層明らかにされることを期待しています。現在では広く食文化として捉えるのが良いのではないかと考えています。 (1)エチオピア エチオピアにおけるコーヒーの飲用の始まりはコーヒーの葉を利用した飲み物から始まったようです。現在でもコーヒーの葉を火であぶり、土器に水とともに入れて、煮出したものを飲んでいる人々がいるそうです。またハラール地方にはクティとよばれているコーヒーの葉を利用した飲み物があるそうです。さらに、エチオピアには大切な来客をもてなすためや祭礼の時に行なわれてきた古くからの習慣として「コーヒーセレモニー」があります。これは葉ではなくコーヒー豆を細かくすり潰した粉を用います。 参考:1.ジェルジェルツーワールドヘリテージの会パンフレット 2)イエメン イエメンの人々が日常的に飲む飲み物はギシル・コーヒーと呼ばれ、コーヒー豆の殻を煎じた飲み物です。通常のコーヒーはほとんどが輸出され、特別な場合を除いて飲まないようです。 参考:1.イエメン共和国パンフレット (3)イタリア イタリアのカフェはバールと呼ばれ、街にあちこちにあり、街を形成する重要な要素になっていると思います。イタリアのエスプレッソ・コーヒーは急行列車のコーヒーと言う意味。速く抽出するコーヒーです。1杯づつ急速に浸出する方法が1903〜1904年に考案されている。さらにデシリオ・パボーニ(イタリア)は1907年にべっツァラの機械の改良型でイタリア特許を取得している。エスプレッソ・コーヒーメーカーの原型のようです。彼の考案をくわしく知りたいところです。 参考:1.オール・アバウト・コーヒー (4)フランス フランス人はコーヒーに対し強い興味をもち、1644年にド・ラ・ロークがコーヒーを紹介しています。トルコ式コーヒーです。またフランス人はコーヒー抽出器の考案を熱心に行ないました。1800年頃にフランス式ドリップポットの原型となるド・ベロワのコーヒーポットが出現しました。1802年にはドノーブ、アンリオン、ローシュがコーヒー湧かし器の最初の特許を考案しています。フランスのコーヒーは深煎りで苦味のあるコーヒーですが、歴史的な背景やフランス料理との相性があるのではないかと思います。またフランスにはカフェ・オ・レという飲み方がありますが、これは朝に飲むコーヒー。深煎りの苦味の強いコーヒーは朝に飲むには少しきついコーヒーです。カフェ・オ・レにすればそのまま飲んでも良いし、フランス・パンとも良く合います。 参考:1.オール・アバウト・コーヒー (1)文学(日本の文学・短歌を含む) (1)コーヒー事始 参考文献 |
9.抽出(ブリュー)って何?22007.12.4 |
9.抽出ってな〜に? 9.1 抽出という言葉 これをまとめると、「抽出」は「あるものから要素を抜き出して表に出す」という意味となります。また、広辞苑(第二版)で調べると、「抽出」には「ぬき出すこと、引き出すこと」という意味と「固体・液体からなる物質を、液体で溶解してとりだすこと」の意味があります。後者はまさにコーヒーの抽出の説明になっています。 「抽出」に相当する英語を考えると、「extract」と「brew」の二つがあります。「extract」は「draw out by force」(引き抜く)、obtain from a substance(抽出する)、pick out(抜粋する)、derive(起源とする)という四つの意味があります。また「brew」には make beer(ビールを醸造する)、make tea or a drink by soaking(浸たすことによってお茶あるいは飲み物をいれる)、bring about(引き起こす)grow to ripeness(熟す)、impend(起ころうとしている)四つの意味があります。「extract」には引き抜くという意味はありますが、お茶や飲み物を入れるという概念はありません。「brew」には「お茶を入れる」という意味があります。コーヒーの事典(日本コーヒー文化学会編)に書かれているように、コーヒーの「抽出」という言葉の英訳は、「extract」でなく、「brew」が正しいと思います。 以上からわかるように、日本語の「抽出」という言葉には、コーヒーをいれることの本質である「成分あるいは要素を抜き出す」(extract)という意味と「コーヒーをいれる」(brew)という意味が包含されています。私はコーヒーの抽出の定義を「コーヒーの抽出とはコーヒー豆と水あるいはお湯のような液体を接触させて、コーヒー豆から液体に一つ以上の成分を引き出すこと」と考えています。なお、コーヒーの事典(日本コーヒー文化学会編)の抽出の説明も参考にしてください。 9.2 抽出の目的 コーヒーを飲むためには、栽培 ―> 精製 ―> (輸入)―> 焙煎 ―> (ブレンド)―> 抽出の一連のプロセスが必要です。コーヒーの抽出はコーヒーを飲むための最終プロセスです。抽出の目的は、人々が満足する美味しいコーヒー液を得ることにあると考えています。すなわち、コーヒー豆と水あるいはお湯のような液体を上手に接触させて、コーヒー豆から液体に美味しい成分を引き出すことです。 9.3 抽出の基本となる考え方 美味しいコーヒーを得るためには、まず抽出する前に飲みたいと思うコーヒーの味の輪郭を頭の中に描くことが重要だと思います。 美味しいコーヒーの最適条件を決めるためには簡単でよいから抽出実験をおこない、決めるのが良いと思います。条件が決まったら、その条件を満足するように抽出を行なえば、理屈の上では美味しいコーヒーが得られます。しかし、実際には味にばらつきがでますので、問題点を考えて試行錯誤する必要があります。美味しいコーヒーの条件を見つける前に自分の好みに合うコーヒーを得る条件を見つけることから始めると良いと思います。 9.4 抽出の実際 実際の抽出にあたっては、コーヒー抽出の基本に従い、コーヒー粒子とお湯(あるいは水)を上手に接触させることが重要になります。美味しいコーヒーを入れようとするといくつかのコツがあります。誰にでも簡単にできるドリッパーとろ紙を使ったドリップ抽出のコツを以下にまとめました。このやり方をマスターすればプロに近い味が得られますよ。 美味しい入れ方のコツ 1).サーバーにロトをのせ、ロトにろ紙をセットする。 2).ろ紙を少量のお湯で湯洗いし、サーバーに落ちた湯をすてる。美味しくいれるポイント1です。 3).ろ紙にコーヒーの粉を所定量いれる。 4).コーヒーの粉に少しずつお湯をふりかけ、むらす。 5).お湯を注ぎ、コーヒー液を抽出する。 ちょっと一言 1)コーヒー豆の挽き方はどのくらいが良いでしょうか? 2)ろ紙の湯洗いをするのはなぜですか? 3)むらしはなぜ必要なのですか? 4)お湯の温度は紅茶とおなじように沸かしたてがよいのですか?
1.基礎化学工学 化学工学会編 培風館 |
8.ブレンド(配合)って何?22007.11.1 |
8.ブレンドってな〜に? 8.1 ブレンドという言葉 「ブレンド」は英語では「blend」です。「blend」を英英辞典で調べると、「mix」という意味です。「mix」は「join together into one mass」という意味です。「ミックス」は「種類の違う物をまぜること」すなわち「混合」という意味です。一方、「ブレンド」は広辞苑や新明解国語辞典には掲載されていません。コーヒー屋の世界では「ブレンド」は「配合」と訳されています。「配合」は「調和するように幾つかの物を取り合わせるあるいはまぜ合わせる」という意味です。英語では「ブレンド」と「mix」を同じような意味で使っているようです。しかし日本語では「ミックス」と「配合」を明確に区別して使っています。コーヒー豆を単に混ぜる(混合する)のではなく、調和するように配合する場合に使う言葉としては「ミックス」でなく「ブレンド」のほうが良いと思います。 またブレンドの場合にはなぜか外来語の「ブレンド」(英語のblend)と言う言葉が主として使かわれ、「配合」という言葉は従として使われています。「焙煎」の場合とは言葉の使い方が好対照です。私も「ブレンド」を使っています。私は「ブレンド」を「2種類以上のコーヒー豆を混合して、もとの味とは異なる新しい味の輪郭を描くこと」と定義しています。なお、「ブレンド」で重要なことは調和のとれた、個性のある、新しい味を創作することであると考えています。以上 8.2 ブレンドをする理由 コーヒーは単品のストレート豆でも十分に美味しいのですが、純である反面、やや単調になる傾向があります。数種のコーヒー豆をブレンドすると、単品よりも味の幅がひろがり、奥行きがでてきます。使用するコーヒー豆の種類は2種類以上、通常3〜4種類です。しかし、バランスが悪いと、美味しくないコーヒーになります。新しい独自の香りと味を出しながら、どうやって味のバランスをとるかがブレンドの技術でノウハウになります。豆の種類だけでなく、焙煎の度合も影響します。全体の5%の量でも味に影響を与えます。 8.3 ブレンドの基本的な考え方 ブレンドをするためにはまず頭の中に「味の形」すなわち「味の形の輪郭」を描き、さらに、その味の輪郭を作り出すために必要な要素となる幾つかの「要素の味の輪郭」を描く必要があります。これらを頭の中で描いたら、実際にブレンドするコーヒー豆を選んでいきます。最初にベースとなるコーヒー豆を決めます。ベースとなるコーヒー豆で大きい味の輪郭を作ります。次に、味の肉付けをするコーヒー豆を選び、要素の味の輪郭を付け加えていきます。実際にブレンドして、テイスティングして、自分の想像していた味が実際に得られていれば、「良し」ということになります。違う場合には、試行錯誤することになります。ブレンドは職人的な仕事で、感性と熟練が必要です。 ブレンドする豆の選び方には二つの方法があります。その一つは性格の異なる豆を組み合わせ、それぞれの味の長所を生かし、新しい独自の香りと味と奥行きを作り出す方法です。組み合わせの例としてはコロンビア、ブラジル、モカなどなどです。もう一つは性格の似たコーヒーを組み合わせ、香りと味の幅を広げ、奥行きを出す方法です。この組み合わせの例としてはキューバ、ハイチ、ブラジルなどなどです。 ブレンドの味はベースとして用いるコーヒー豆の味が基本になります。たとえば、ブラジルをベースにした場合には、ブレンドの味が比較的軽く、切れの良いものになる傾向にあり、コロンビアをベースにした場合には味が酸味とコクのあるものになる傾向があります。またカリブ海のコーヒー(たとえばキューバ)をベースにした場合には、味が柔らかでかろやかなものになる傾向にあります。モカをベースにすればモカの風味に富むコーヒーになります。 ブレンドする豆の配合の形には基本となる比率(配合比)が存在します。たとえば2種類なら6・4あるいは7・3(合計を10とする)であり、3種類なら4・3・3(合計を10とする)です。これらは先人が導き出した経験則です。この基本形のバリエーションも数多くあります。これらを参考にいろいろなご自分のブレンド作りを試してみてはいかがかと思います。 参考文献 1)高島君子著 世界のコーヒー専科 P39 大泉書店(昭和53年4月20日発行) |
7.焙煎(ロースト)って何?22007.10.5. |
|||||||||||||||||||||||||||
7.焙煎ってな〜に? 7.1 焙煎ということば 7.2 焙煎の手法はいつ、どこで発明されたか? 7.3 焙煎の実際的な定義 焙煎の実際的な定義としては「焙煎とはコーヒー豆を焙煎機のような容器に入れて、加熱して、飲用に適する状態に変化させる熱的操作である」とするのが良いと考えています。 7.4 焙煎機の種類と構造 構造はドラム回転式が一般的で、直火型、半熱風型、熱風型に分類される。 容量で分類すると、小型の1kg釜から大型の200kg釜まである。 7.5 焙煎度と味覚 ローストは通常、次の8段階に分類されています。
7.6 キングスコーヒーの焙煎に対する考え方 コーヒー豆はマジックビーンと呼ばれるように、焙煎することによって素晴らしい香りと味に変身します。焙煎によって香味が変化するコーヒーは、コーヒー豆の個性に合わせ、どのように焼き上げるかが重要なポイントです。キングスコーヒーではコーヒー豆の個性に合わせて焙煎の強さを微妙に変化させています。香りときれいな酸味を楽しむなら、浅めのローストが、こうばしい香りと苦味・コクを楽しむなら、深めのローストがおすすめです。以上。 参考文献 |
6.コーヒーと健康について222007.3.26. |
1.はじめに 2.これまでに発表された珈琲と健康に関するする記事と資料 1.「珈琲と健康」 泉谷 希光著 (社)全日本珈琲協会 1988.(S63)7.10.発行 エスプレッソ一杯飲むと、コレステロール値が3〜4mg上昇。 5.「カラダが元気になるコーヒーの飲み方(漢方流コーヒー再発見)」 (1995.(H7)11.1. NHKTV放映「ためしてガッテン」より) NHKエデュケーショナル企画制作 (社)全日本珈琲協会 6.「コーヒー三杯胃がんを予防」 朝日新聞 1998.(H10)9.8. 愛知県ガンセンター研究所主任研究員 嶽崎 俊郎 日本がん学会発表 コーヒーを全く飲まない人より飲む人の方が胃がんになる危険率が低い。 7.「コーヒーは薬だ」河野友美監修 壮快6月号別冊24巻6号 H6.6.1.発行 8.「コーヒーにがん抑制効果」 朝日新聞 1999.(H11)9.28. 産業医科大学講師 徳井教孝 コーヒーサイエンスセミナー 全日本珈琲協会主催 コーヒーを一日一杯以上飲む人は肝臓がんで死ぬ危険が飲まない人に比べ半分になる。 9.特集ワイド2「コーヒーと健康」 毎日新聞 1999.(H11)1.20. 10.ヘルシーライフのための珈琲学シリーズ1 「がん予防からダイエットまで」元防衛医科大学校教授 石川俊次 全日本珈琲協会編 11.ヘルシーライフのための珈琲学シリーズ2 「がんと老化の要因を抑える働き」日本女子大学食物学科教授グェン・バン・チュエン 全日本珈琲協会編 12.ヘルシーライフのための珈琲学シリーズ4 「コーヒーの香りの脳機能への働き」杏林大学医学部教授 古賀良彦 全日本珈琲協会編 13.「がん細胞の転移コーヒーが抑制」日本経済新聞 H12.9.4. 東京農工大学教授 矢ヶ崎 一三 クロロゲン酸の効果 14.COFFEE BREAK「薬としての歴史」全日本珈琲協会編 15.特集「コーヒーは薬だった」暮らしの達人 H12年6月号 16.「コーヒーが胆石予防?」 日本経済新聞 H12.6.11. 17.「コーヒー豆から残留農薬」. 日本経済新聞 2003.(H15.)9.15. 18.「1日三杯以上コーヒーを飲む人は、直腸がんになる危険が半減する」 愛知県ガンセンター研究所 田島 和雄 19.「コーヒーに胆石予防効果?」??新聞 2003.(H15.)9.25. 産業医科大教授 吉村 健清 20.「コーヒーで糖尿病予防?」朝日新聞 2004.(H16.)6.29. 21.「コーヒーの成分のカフェインがストレスを緩和し、運動量を増加させる」 中村学園大学教授 青峰 正裕 22.「善玉コレステロールを増やして、動脈硬化を防ぐ」 防衛医科大学校医師 伊藤 利光 23.「ダイエット効果を上げる、運動前のコーヒー」 「脂肪の燃焼を助けるカフェインの動き」 京都府立医科大学 吉田俊秀病院教授(現京都市立病院内科部長) 「運動中の酸素摂取量を高める、コーヒーの効果」 神戸芸術工科大学 芸術工学部 古賀俊策教授 24.コーヒー/健康の「飲力」読売新聞 2007(H19)11.11 25.エチオピア産コーヒー生豆残留農薬調査結果について 全日本コーヒー商工組合連合会 2000(H20)7.11. 26.コーヒー・お茶 記憶力に効果? 朝日新聞 2008.(H20).8.15 3.珈琲と健康に関する本: 1)こうひい絵物語(版画珈琲小史) 版画・奥山義人、文・伊藤博 旭屋出版(1993.11.10初版) 2)カフェイン大全 ベネット・アラン・ワインバーグ/ボニー・K・ビーラー著 別宮貞徳監訳
|
5.コーヒーの美味しい飲み方222006.10.3 |
1.はじめに 1)日本の水(軟水)に合うコーヒーは 2)外国の水(硬水)に合うコーヒーは 2.1 いろいろな国の飲み方 コーヒーは世界的な飲料ですから、世界各地にいろいろなコーヒーがあり、いろいろな飲み方がされています。私もいろいろな国(12ヶ国)のコーヒーを飲み歩みました。まだまだ私の飲んでいないコーヒーはたくさんあります。これからもいろいろなコーヒーを飲んで楽しもうと思っています。皆様が旅行先で飲まれたコーヒーの感想をお聞かせ頂けるとうれしいです。いろいろな国のコーヒーの飲み方の詳細は別の機会に書きたいとおもいます。なお、下記に参考となる本をあげておきました(注1)。 1)カフェジーニョで陽気にブラジルスタイル・・・ 2)牛乳たっぷりのカフェ・オ・レでおしゃれなフランススタイル・・・ 3)イタリアンの後でエスプレッソ、カフェラテ、カプチーノのイタリアンスタイル・・・ 4)厳粛なコーヒーセレモニーをエチオピアンスタイルで・・・ 5)王様になった気分でアラビアンスタイルのサルタンコーヒー 6)トルコ料理の後はトルコスタイルのターキッシュコーヒー 7)ベトナム料理のあとはコンデンスミルクをいれたベトナムスタイルのベトナムコーヒー 8)バリスタイルはバリのふんいきで。・・・ 9)カリブの海を見ながらコンデンスミルクがはいったジャマイカンスタイルといきたい。 10)山や野外でワイルドにカウボーイスタイルで・・・ 1)朝のコーヒーには・・・ 2)午後のコーヒーには・・・ 2.3 食事に合うコーヒー コーヒーの入れ方はイタリアン=エスプレッソとこだわる必要はありません。ドリップでもエスプレッソでも貴方のお気に召すままにどうぞ。軽いイタリアンなら普通のコーヒーカップで、ディナーならデミタスで飲みたいですね。パスタならやや深煎りが良いと思います。 やや深煎り〜深煎りのコーヒーがおすすめです。イタリアンと同様、エスプレッソでもドリップでも良いのですが 、コーヒーはデミタス・カップで飲む一杯だと思います。最後の「しめ」にふさわしいコーヒーになります。 4)カレーには・・・ 2.4 ケーキに合うコーヒー 1)フルーツ系や甘味の少ない軽い味のケーキには・・・ 2)チョコレート系や甘味のあるしっかりとした味には・・・ 3)ショート・ケーキには・・・ 3.私のおすすめコーヒーメニュー ここで紹介をするメニューは私がカフェをしていた時に人気のあった美味しい飲み方です。これらは簡単・美味・飽きないメニューです。ご家庭でできるように参考レシピも入れておきました。是非お試しください。 3.1 ドリップ・コーヒーとそのバリエーション ドリップ・コーヒーはヨーロッパのフランスで1800年頃ドゥ・ベロワがドリップ・ポットを考案してから発展してきました。 1)朝に飲むモーニング・コーヒー 3)気が向いた時に飲む強くて、濃いデミタス・コーヒー 5)ミルク(牛乳)の中に少量のコーヒーを入れて飲む。 6)コーヒーの中に少量のミルク(牛乳)を入れて飲む。 7)ミルク(牛乳)とコーヒーのハーフ&ハーフで飲む。 約1900年頃イタリアで生まれた入れ方ですが、いまでは世界中に広がりました。エスプレッソコーヒーはドリッ プコーヒーに比べ、そのままで飲んだらあまり美味しいとは言いがたいというのが正直な気持ちです。しかしミル ク(牛乳)をいれたバリエーション・コーヒーはじつに美味しい。これも正直な気持ちです。 1)エスプレッソ・コーヒー 4.私の飲み方・味わい方 これは私の親父からの直伝の飲み方・味わい方です。参考にしていただければ幸いです。 コーヒーはまずブラックで 砂糖は ミルク(牛乳)は 気をつけていることは 体調です。これは仕事柄ですが、できるだけ風邪を引かないように、そして酒を飲み過ぎないように気をつけていま す。 (注1) |
4.コーヒーの美味しい入れ方 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
4.1 いろいろな抽出法 下記のような抽出法があり、抽出法で味が異なります。 表2 いろいろな抽出法とその特性
4.2 ペーパードリップで味が変わる要因 ペーパードリップ抽出で同じように抽出しているのに味がいつも変わるということを経験していませんか?味が変わる要因は表2に示すようにたくさんあります。ご自分でチェックして参考にしてください。 表2 ドリップ抽出の味に影響する因子
4.3 ペーパードリップの美味しい入れ方 (1)用意するもの 1)ドリップコーヒーに適したコーヒー豆:中挽きのコーヒー豆を用意してください。 2)ロト(ドリッパー) 3)ろ紙 4)サーバー:コーヒー液を受けるもの 5)やかん:お湯を沸かすためのもの 6)ドリップ用ポット:お湯を注ぐためのもの(あるとよい) (2)美味しい入れ方のコツ 1).サーバーにロトをのせ、ロトにろ紙をセットする。 3).ろ紙にコーヒーの粉を所定量いれる。 4).コーヒーの粉に少しずつお湯をふりかけ、むらす。 5).お湯を注ぎ、コーヒー液を抽出する。 (3)ちょっと一言 1)コーヒー豆の挽き方はどのくらいが良いでしょうか? 2)ろ紙の湯洗いをするのはなぜですか? 3)むらしはなぜ必要なのですか? 4)お湯の温度は紅茶とおなじように沸かしたてがよいのですか? エスプレッソコーヒーは簡単にいうと、イタリア生まれの、エスプレッソマシーンという特殊な機械で抽出されたコーヒーのことです。エスプレッソマシーンはコーヒーを蒸気の圧力によりあっという短時間(20−30秒位)で抽出します。ちなみに、エスプレッソは急行の意味です。エスプレッソマシーンを用いた美味しい入れ方のコツを説明しましょう。 (1) 使用する器具 エスプレッソマシーンが対象です。エスプレッソマシーンに必要な基本条件は、圧力:9気圧、湯温:90度Cとされています。最近、業務用も家庭用も良い機種がいろいろと販売されています。具体的な機種についてはご相談ください。 (2)エスプレッソコーヒーの美味しい入れ方のコツ 1)エスプレッソに適した中深煎りからの深煎りのコーヒー豆を選ぶ。 エスプレッソには味と香りの点で中煎りの豆よりも中深煎りからの深煎りの豆の方が適しています。そのなかでも、苦みだけでなく香りと甘みを感じるエスプレッソが抽出されるのが最高の豆です。重要なポイント1です。 2)エスプレッソに適したコーヒー豆の挽き方は極細挽きにします。 粉の粒度で味が大きく変化します。粉が粗いと水っぽくなります。重要なポイント2です。 3)抽出容器にコーヒー粉を詰めます。 詰め方で味が変わります。重要なポイント3です。 4)エスプレッソコーヒーの量は通常1杯分として30cc前後を抽出します。 本場のナポリでは20−25ccだそうですが。キングスでも30cc程度を基準にしています。濃いようでしたらお好みに合わせて量を調整します。エスプレッソコーヒーの味はドリップ法に比べると同じ豆ならあっさりというか、さっぱりというか軽い味になります。重要なポイント4です。 5)エスプレッソコーヒーの抽出時間は20−30秒が目安です。 6)カップはデミカップをお使いください。これだけでエスプレッソ気分になれます。 (3)ちょっと一言 1)肉料理・味付けの濃い料理・油っぽい料理の後では深煎りの豆の、苦みのしっかりしたエスプレッとソが良く合います。またイタリアンやフレンチでも軽い味わいならば中深煎りの豆で、柔らかな苦みのエスプレッソが良く合います。イタリアでは南と北でエスプレッソの味が違うということですが、これは料理との関係があるのではないかと推測しています。 2)エスプレッソコーヒーは作り手のテクニックが反映します。イタリアにはバリスタという専門のコーヒー職人がいるほどです。あなたもバリスタになったつもりでお試しください。 |
3.コーヒーが出来るまで |
3.1 コーヒーってな〜に? その答えはコーヒーの木の「実」、正確にいうと「種」です。 コーヒーの木はアカネ科コフィア属に分類される」常緑樹です。 3.2 コーヒーはどこで採れる? どこで採れるかというと、赤道を挟んだ北緯25度と南緯25度の間の熱帯性〜亜熱帯性地域(コーヒーベルト地帯)です。生産国には次のような国があります。 アフリカは、エチオピア、タンザニア、ケニアなど ちなみに、ヨーロッパは消費国ですが、生産国ではありません。 3.3 コーヒーの栽培に適した土地の条件とは? コーヒーの木はなかなかの気難しがりやで、熱帯でも涼しい山の中腹や高原地帯が生育の適地です。たとえば、エチオピアのアビシニア高原やブラジルのブラジル高原などです。理想的な条件をまとめると以下のとうりです。 3.4 品種 商業用に栽培されているコーヒーの種類はアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種の3原種で、そのほとんどがアラビカ種です。アラビカ種の中にティピカ、ブルボン、ムンドノーボ、カツ―ラ、カツアイ、マラゴジッペなどの品種があります。 ブラジルを例にとると、10月から12月にコーヒーの花が咲き(開花期)、5月末から8月にかけて収穫され、精製処理される(収穫期)。9月以降から新豆として登場する。ちなみに、ブラジルのコーヒー年度は7月1日~6月30日。 3.6 精製処理方法 コーヒーの精製処理を大別すると乾燥式(非水洗式)と水洗式があります。収穫されたコーヒーの実をチェリーといいます。このチェリーから果肉を除去したものはパーチメント・コーヒーといいます。パーチメント・コーヒーを脱穀・選別すると、商品の豆になります。この豆をグリーン・コーヒーといいます。 乾燥式あるいは非水洗式(アンウオッシュド)とは、 水洗式(ウオッシュド)とは、 なお、どちらの方法が味の面ですぐれているかということは、難しい問題で、むしろ好みの問題といえるのではないでしょうか? また、パーチメント・コーヒーの乾燥方法には天日乾燥と機械乾燥があります。機械乾燥のほうが効率的だが、味の面ではゆっくりとした天日乾燥のほうが良い。 コーヒーは世界でも代表的な貿易品。生産国で栽培・収穫・精製されたコーヒー生豆(グリーンビーンズ)は世界の消費国に船(ときに飛行機)で輸出される。 3.8 新しい市場 最近、次のような新しい市場システムが形成されつつある。これらの新しい市場を見守って行きたいと思います。 1.スペシャルティ―・コーヒー:品質基準を明確化する品質保証市場システム 参考文献 |
2.コーヒーを楽しむためのチェックポイント |
良い珈琲豆を選び、やさしく、ていねいにコーヒーを抽出すれば、だれでも美味しいコーヒーが楽しめます。このポイントをコーヒーを楽しむためのチェック・ポイントとしてまとめました。
2.1 見る 信頼できるお店を見つけるにはとにかくお店をよく見ることです。お店の外観、店内レイアウト、そしてお店全体のふんいきをみましょう。とくにふんいきは大事です。お店のポリシーはふんいきにあらわれるものです。 次に、スタッフとコミニュケートしましょう。珈琲を愛するスタッフならば珈琲豆について詳しい情報を提供してくれます。スタッフが誠実かどうかは珈琲の説明をしてもらえばわかるものです。 百聞は一見にしかず。珈琲豆を選ぶ時には珈琲豆を必ず見せてもらいましょう。見るのは珈琲豆の色・つや・均一性などです。鼻も利かせてください。香り・匂いはどうですか?これらのことからある程度品質をしることができます。とくに香りは重要です。新鮮な珈琲豆には新鮮な香りが、良い珈琲豆には良い香りがあります。新鮮で良い香りがしますか?すれば、フレッシュで良い珈琲です。1粒食べさせてもらうとなお良いでしょう。 そしてスタッフの説明をききましょう。 b.水は軟水[水道水]を使う c.抽出器具にあった粉の挽き方をする。 d.抽出の時間はいつも同じに e.器具の容量に合わせてつくる a.プレーンで飲むか、ミルクをいれて飲むかはあなたのお好みです b.同じ豆でも煎り方を変えて味わう。 c.同じ豆でも挽き方や濃度を変えて味わう。 |
1.マジックビーンって何? |
1.1 マジックビーンって何? マジックビーンという言葉を聞いたことがありますか?耳なれない言葉ですね。キングスコーヒーのルーツである珈琲鑑定士「衛藤六蔵」は珈琲豆のことを愛情をこめてこう呼んでいました。それに倣ってキングスコーヒーでも焙煎によって七変化する珈琲豆をマジックビーンと呼んでいます。 1.2 マジックビーンはいつ、どこで発見されたか? コーヒーがいつ・どこで発見されたのか定かではありませんが、アビシニア(現エチオピア)かアラビア(現イエメン)が原産地であることは間違いないようです。コーヒーの発見伝説には2つの発見物語があります。アラビアを舞台にした回教僧オマールの発見物語とエチオピアのアビシニア高原を舞台にした山羊飼いカルディの発見物語です。 ■アラビアの回教僧オマールの発見物語 「回教僧オマールが山中をさまよっていたとき、小鳥が赤い実を食べていた。その赤い実を取り、口にすると美味しく心身に力がわいた。」 ■エチオピアの山羊飼いカルディの発見物語 ■コーヒーが飲み物として歴史に最初に登場するのは9世紀末頃です。アラビアの医者ラーゼスによってコーヒーについての最初の記録が書かれています。コーヒーの実を煎じた汁は刺激的でさっぱりした味で胃に効き目があるとの記述が残されています。 ■当時、コーヒーは食べ物であり、果実酒であり、ノンアルコール飲料水だったようです。熟したコーヒーチェリーの果肉は現代でも現地の人に良く食べられているようです。ノンアルコール飲料水としてのコーヒーは外皮と果肉を使った飲み物と生豆を使った飲み物の2通りがあったようです。■15世紀中頃まで、生豆を煎じた汁(カーフワと呼ばれる)が回教僧の秘薬として珍重され、飲まれていたようです。 ■コーヒー豆の焙煎は15世紀中頃に発見されたようです。それを工夫したのはペルシャ人だという説があります。■やがて、コーヒーは16世紀以降急速に世界各地に普及します。これには16世紀にアジア・・アフリカ・ヨーロッパの3大陸に跨る大帝国を築いたオスマントルコとターキッシュ・コーヒーの文化が大きく影響しているとおもわれます。ヨーロッパには17世紀の始めにベネチアの商人によって伝えられたとされます。日本に伝来するのは17−18世紀です。 参考文献 |
|