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1.はじめに
2.トレーサビリティ
3.残留農薬問題
4.植物の資源化を促進しよう
5.コーヒー液の成分
6.香りの効果その1
7.香りの効果その2
8.コーヒーすると「能力」アップ?
9.有機栽培について考える
10.「コーヒーの美味しい・まずい」で自分の健康状態を知る
11.カフェインについて
12.カフェインについて(2)

2009.4.7.

健康ニュース No.12 「カフェインについて(2)」
カフェインについて(2)

 2009年4月6日の朝日新聞の夕刊に「食の健康学/コーヒー・1・適量「1日5杯以内」という記事が掲載されました。この記事には5杯が適量という根拠が書いてありませんでした。栗原久・東京福祉大学教授の「カフェインの科学」にその裏づけとなるデータがあれば次回の記事で書いてもらえれば有難いとおもいます。感覚てきには「5杯」は納得できる数字です。また、カフェイン大全(ベネット・アラン・ワインバーグ/ボニー・K・ビーラー著)にはカフェインの代謝についての項を見ると、カフェインの代謝速度を左右する要因と半減期が書いてあります。カフェインの半減期は健康成人で3〜7.5時間(平均値3.5時間)です。人が起きている時間を16時間(睡眠時間8時間)と考え、コーヒーをカフェインの半減期(平均値平均値3.5時間)毎に飲むとすると、16時間/3.5時間=4.6杯になります。これがコーヒーの適量が1日5杯以内という根拠の一つになっているのではないかと思われます。 

2009.4.6.

健康ニュース No.11 「カフェインについて」
カフェインついて

1.はじめに

コーヒーや紅茶には目覚まし効果や気分転換効果などの薬理学的効果があることを経験的に知られている。しかし、コーヒーや紅茶の成分のうち、どの成分がどの程度の効果を有しているのかという問題に対する定量的な答えが十分に明らかにされているとは言いがたい。ここではカフェインを取りあげ、その基本的な性質や薬理学的効果について調べてみる。

2.カフェインの発見

ヨーロッパでは19世紀初頭に植物化学に関心が集まっていた。カフェインは1819年、医師フリードリープ・フェルディナント・ルンゲによってコーヒーから発見された。その発端はコーヒー好きのアマチュア科学者で文学者のゲーテとの出会いからであった(カフェイン大全)。 また、1827年にはオードリー(Oudry/スイス)がお茶からティーン(カフェイン)を発見している(山西貞著お茶の化学)。

3.カフェインの構造と性質

1)アルカロイドの仲間。
2)化学式:C8H10N4O2
  キサンチンの1,3,7位の窒素Nにメチル基CH3がついた物質。
3)チャ、マテ茶、カカオ、コーラ、コーヒーなどの植物に含まれている。
  これらは主として飲料として利用されてきた。
4)アラビカコーヒーのカフェイン生成は下記で高い活性を示す。
   イ.若い成長期の芽葉
   ロ.青い未熟な果実
5)茶のカフェインは2分で全体の90%が溶出(80度Cの時)。
6)カフェインの溶解度
   90度Cの熱湯100mlに40gのカフェインが溶ける。
7)茶湯の白濁現象(クリーミング・ダウン)
   茶湯が冷えてくると濁るのは、テアフラビン・テアルビジンとカフェイン  の複合物(ティークリームという)の溶解度が下がって析出するため。
8)テオブロミン
  イ.カフェインの生合成経路の中間体(前駆物質)。
  ロ.化学式:C7H7N4O2
  ハ.キサンチンの1,7位の窒素Nにメチル基CH3がついた物質。
  二.カフェイン合成の盛んな部位に存在。
  ホ.成熟した豆ではテオブロミン含量は非常に少ない。
  へ.カフェインと類似の作用
     カフェインより中枢神経に対する作用は弱い。
  ト.カカオ豆に多い。

4.カフェインの体内での代謝と薬理学的効果

1)カフェインは99%以上が消化管から吸収。
2)カフェインは肝臓内で生体内変化。
  脱メチル化され、三個のメチル基のうち一個あるいは二個が脱離することに よって、ジメチルキサンチンとモノメチルキサンチンに変化すると考えられ ている。
3)薬理学的効果
  イ.刺激興奮剤
  ロ.体内に蓄積されない。
  ハ.短時間で全部排泄される。
  二.一時的効果
  ホ.血液循環効果
  へ.利尿効果
  ト.脂肪分解作用

5.カフェインとダイエット

1)カフェインは心臓や呼吸、腎臓、中枢神経系に対する効果に加えて、脂肪分解を刺激、つまり異化作用を増大させ脂肪を燃焼させることで、脂肪組織にも影響を及ぼす。
ジョン・ウィリアム・デイリー博士の研究論文「カフェインの作用の仕組み」(1993年)
2)カフェインは部分的に脂肪分解を妨げる神経伝達物質であるアデノシンやアデノシン化合物の作用を妨げる。換言すれば、カフェインによって脂肪燃焼速度が速まり減量が容易になる。この効果にはいくつかの臨床的証拠がある。

参考文献:
1.コーヒーの事典 日本コーヒー文化学会編 柴田書店
2.お茶の化学 山西貞著 裳華房
3.カフェイン大全 ベネット・アラン・ワインバーグ/ボニー・K・ビーラー著(別宮貞徳監訳)


2007.7.21.

健康ニュース No.10 「コーヒーの美味しい・まずい」で健康状態を知る」
 自分の健康管理の指標として、私はコーヒーの美味しい・まずいを利用している。仕事上、毎日コーヒーを朝から飲んでいますが、飲みたいと思う時とそれほどのみたいと思わない時があり、実際に飲んでも美味しいと思う時と、そう思わない時がある。また、飲みたいと思う時は飲んでも美味しいと感じ、飲みたくないと思う時は美味しくないと感じる傾向にある。極端な例ですが、たとえば、風邪などをひいている時にはあまり飲みたいという気分になりませんし、飲んでも美味しいと思わない時がほとんどです。とにかく、朝一杯のコーヒーを飲んだとき、美味しいと感じたときは体調が良い時で、まずいと感じたときは体調の悪い時と対応しているようです。このようなわけで、体調を整え、朝一杯のコーヒーが美味しいと感じるように気をつけています。

2006.1.21

健康ニュース No.9(有機栽培について考える)
有機栽培ということについてすこし考えて見ましょう。
コーヒーは今、以前の量を目指していた時代から味をを重視したスペシャルティー・コーヒーの時代へと変わってきました。栽培の面では化学肥料重視から有機肥料重視になっています。特に有機栽培と名乗らなくとも、有機肥料を使用して、木を丈夫に育て、美味しい実を育てる栽培法が広く採用されています。たとえば、ブラジルのコーヒーの大生産地「セラード」がそうです。有機栽培いや有機肥料を使用した栽培はいまや時代の要求であり、当たり前のことになっています。

ところで、有機栽培は各国で基準が異なります。日本ではJAS(日本農林規格)の基準があり、有機肥料を使用することと農薬に曝されないことが大切な要件となっています。また、JASの認証を得ないと、有機栽培と名乗れないことに法律で定められています。他の国の有機栽培は日本では有機栽培ではないということになり、有機栽培とは認められません。

JASが日本の有機栽培の基準の確立におおきな役割を果たしたのは事実ですが、そろそろ世界統一基準が必要な時期になってきているのではないでしょうか?

 世界統一基準として考えるべき内容について、以下に項目だけですが列挙しておきましょう。味が良くて、自然の循環に乗る栽培法が求められているとおもいます。皆さんも考えて見てくださいね。
1.味覚の面・・・有機肥料栽培の要件
2.品質保証・・・トレーサビリティー
3.環境保護・・・サステナビリティー
4.安全性・・・農薬の面・・・無農薬栽培の可否

2005.9.3

健康ニュース No.8(コーヒーすると能力アップ?)

 2005年8月3日の朝日新聞に「料理すると能力アップ」(東北大教授ら実証)という記事がありました。料理には1.献立を考える、2.野菜を切る、3いためる、4.盛り付けるなどの工程があり、これらは判断力や計画力をつかさどる前頭前野を活発にして、脳を若々しく保ち、ボケ防止に効果がある。料理を日常的に楽しむことで脳がきたえられるようです。
 さて「コーヒーすると能力アップ?」 どうなのか気になりますよね。手前味噌ですが、毎日コーヒーする人は脳をきたえているのでは・・・と私は思っています。何故かというとコーヒーを入れるのも調理の一種です。「コーヒーする」のは「料理する」のに比べると簡単なように思えますが、美味しいコーヒーを飲もうとすると結構知的活動をする要素があります。たとえば、きょうはどんなコーヒーをのもうとか考えたり、どのようにコーヒーを入れたらよいかと考えたり、どのコーヒーカップにしようとかなどなどです。コーヒーはとっつき易く、続け易い調理と思います。これからは「コーヒーすると能力アップ」を信じて、コーヒーを楽しんでみたら如何がでしょうか!(2008.8.9修正)


2005.4.24

健康ニュース No.7(香りの効果その2)
 第二回は香りの効果。ある雑誌に「脳は香りを感じるとその香りに応じていろいろな脳波を出す。フローラルな香りではα波が出て脳がリラックスし、シトラスな香りではP300波が出て脳の働きが活発になる。」ということが書かれていました。(雑誌名不明)
 杏林大医学部の古賀良彦教授の研究によると、ブラジル・サントスの香りでは覚醒効果があり、朝のコーヒーに良いそうだ。またグアテマラやブルーマウンテンの香りではα波が多くでて、リラックス・催眠効果があるそうだ。(2004年9月25日朝日新聞「身も心も香りが変える」より)
 自分で試して見ると、たしかにブラジル・サントスの香りは脳に響く香りのようにおもう。グアテマラの香りはすこしハーブっぽい香りで落ち着くようです。
 以上はコーヒー香りを嗅いだ時の話。コーヒーを飲むと、カフェインがあるので覚醒効果があることはいうまでもありません。

2005.1.19
健康ニュース No.6(香りの効果その1)
 最近、香りについてのニュースや記事が目をひきます。第一回は香りを感じる仕組み。花や果実など環境中のにおい分子は約40万種類あり、人間は約1万種類のにおいをかぎ分けることができるそうです。米国のアクセル教授とバック博士がにおいをかぎ分ける仕組みを解明する研究でノーベル賞を受けました。それによると人間には鼻に受容体と呼ばれるセンサーが350もあり、ここでにおい分子を受け止め、電気信号として嗅糸球へはいり、ここから脳に信号が送られて香りとして識別しているのだそうです。(2004年10月6日朝日新聞朝刊「におい解明、脳に迫る」より)

2004.7.17
健康ニュース No.5(コーヒー液の成分)
 6月29日の朝日新聞に「コーヒーで糖尿病予防?」の記事がありました。ここにはコーヒーを飲む人は糖尿病になる確率が低いというフィンランドやアメリカの調査結果が紹介されていました。またカフェインは体内の糖を燃えやすくしている可能性があるとも書かれていました。これはうれしい記事ですが、私たちが何気なく、コーヒーを飲んでいる黒い液体の中身が気になりませんか?

 筆者はこれについて少し調べてみました。カフェインはどのくらい含まれているのか、またどのような成分が含まれているのか、コーヒー豆からコーヒー液にどのくらい抽出されているのか?

 コーヒー液と煎豆の成分の一例は下記のとうりです。公表されているデータが少ないのですが、コーヒー抽出液の分析値は日本食品標準成分表(五訂)から、コーヒー豆(煎豆)の分析値はコーヒー鑑定士教本から引用しました。

 カフェインについてみますと、、コーヒー液に0.06%、コーヒー煎豆に1.3%くらい含まれています。コーヒーカップ1杯(150cc)飲むと0.09gくらいになります。コーヒー煎豆からコーヒー液へ69%くらい抽出されているようです。ドリップ抽出でかなり抽出されることがわかります。抽出方法がエスプレッソでは抽出率が異なるのか興味のあるところです。
 ただ、この分析結果は1例であり、コーヒー豆の種類や焙煎度合などが同一でない可能性があります。大体の目安として考えるのが妥当とおもいます。今後、系統的なデータが発表されることを期待します。

コーヒー液と煎豆の成分の一例
成分 コーヒー液 煎豆 備考
1.水分 98.6% 3−4%
2.固形分 1.4% 97−96% 150cc飲むと2.1gくらいになる
3.蛋白質 0.2% 13−15%
4.脂質 微量(最小記載量以下) 14−20%
5.炭水化物 0.7% 28−43%
6.灰分 0.2% 3.5−4.5%
7.カフェイン 0.06% 1.3% 150cc飲むと0.09gくらいになる
8.タンニン 0.25%
9.エネルギー 4kcal
10.PH 5−6
注1)コーヒー液の分析値は日本食品標準成分表(五訂)から引用。なお、PHはコーヒーの事典から引用。
注2)コーヒー液はコーヒーメーカーを用いてコーヒー粉10gを150ccのお湯で抽出したものです。
注3)成分表での表示は100gあたりのg数となっていますが、ここでは%表示で示しました。
注4)煎豆の分析値([ ]内の数値)はコーヒー鑑定士教本から引用。

2003.11.11

健康ニュース No.4「植物の資源化を促進しよう」
 私の大学時代の友人「高橋廣存君」が「植物の資源化を促進しよう」という論文を寄稿してくれました。友人に感謝です。私も常々コーヒーと環境問題はどうあるべきか?と考えてきましたが、この論文のようにコーヒー農園や茶園がただ単にコーヒーや紅茶を生産するだけでなく一歩進んで総合的に植物の資源化を実現できたらと素晴らしいと思います。( 衛藤正徳)

「植物の資源化を促進しよう」 平成十五年十一月初旬 沙門 智弘院日崇 
                                                 高橋 廣存


 現在のいろいろな問題(福祉・高齢化・人権・虐待・ゴミ・地球温暖化・・・・等)について宗教家としての見解を持つべきかもしれないと何年も前から感じていました。化学だけでなく化学工場の基本設計の勉強もした者として、地球環境の改善について見解を持つべきだろうと考え始めました。「日本の山は利用されずに荒れている」との話を聞き、八日市場市のお寺の周りでも全く使われていない傾斜地を見て、その有利用方法についても思案しておりました。

  すると「植物をエネルギー資源・工業用原料(プラスティック・工業薬品など)に使用すればよいこと」に気が付き、四年程前、三つの小論文にまとめました。

 
(第1部)

  お釈迦様の願い→人々の心の安らぎ

 この世の法則としてお釈迦様は、一切皆苦(四苦八苦) 因果応法(因縁果報)などを悟られました。前者は人の世は苦しい事ばかりであるという意味です。後者は原因があって結果があるということで、過去の行いの結果として現在の状況があるということです。理由もなくいろいろなことが起こるのではないということで、世の中の現象には、すべて理由があって起こるということです。それは、自然科学の基本的考え方と一致いたします。また、その法則を踏まえて心の安らぎを得る方法として、お釈迦様は八正道・十二因縁・六波羅蜜などを説かれました。


 その現代的実現方法  バランス(平衡)をとる

 個々人の心身のバランス

 心がバランスを失えば楽しいはずのことも苦になり、それが継続すると体は病となります。栄養が取れなかったり食べ過ぎたり飲みすぎたりしても病気になり、苦しみを生じ、心のバランスを失います。ホームレスは心のバランスを崩した人達かもしれません。


社会としてのバランス

 社会的バランスが崩れれば、人が増え過ぎたり減り過ぎたりします。先進国では子供の生まれる数が激減しています。人々の心が荒れて、争い事が増え、なんでも裁判にかける風潮となりつつあります。犯罪も増え、ひどい時は戦争となります。ゴミ問題も社会的バランスがとれなくなったせいかもしれません。失業者の増加により、ホームレスの増加が起きているそうです。社会的問題を解決するために日蓮上人は「立正安国論」を書かれています。


生きとし生けるもの全てを含むバランス

 人口の増加に伴う、人間の生きるための活動によって、他の生物の滅亡が引き起こされています。バランスがずれてきたため、地球温暖化・有害物質増加などにより地球環境は悪化しています。本来その土地にいなかった動植物が人によって移住させられ、そこの生態系を崩しています。魚のブラックバス・背高泡立ち草の繁殖はその一例であると思われます。


全ての世界(宇宙も)を含むバランス

 地球以外に生存する生物・生命も含めてのバランス

だから、いろいろな観点からバランスを取る必要があります


  地球規模でバランスが崩れてきたので地球環境が悪化してきた

エネルギーの使い過ぎ。 特に、石油・石炭・天然ガス等を使って火力発電を行っていますが、それだけでは炭酸ガス・水が出るだけでリサイクルにはなりません。

リサイクルできない工業製品の増加(自動車・家庭電化製品・合成木材を利用した家具や建材など)。微生物が分解できれば土になり、植物が有効利用できます。有害物質を含む工業製品の利用により、新築家屋のシックハウス症候群のように健康障害まで引き起こしています。

それは「楽をしたい」「お金を儲けたい」と過度に思う心が引き起こしている難問である  
「少欲知足」を実行する必要性は大きい

  放射能を出さない原子力発電は実現していない

放射能の発生を止める方法は見つかっておらず、ただ保管をしておき何百年も何千年も放射能が出尽くすのを待つしかないのが現実です。放射性廃棄物の保管場所が公募されているようです。

原子力発電はコストが安いと言われていますが、寿命のきた原子炉の解体費用や放射性廃棄物の処理費用が非常に安く見積もられて、発電コストが安価に計算されている可能性が高いようです。何百度もの高温で金属ナトリウムを使う、極度に危険度の高い原子力発電もあります。そのナトリウムが流れている配管中にイオウとナトリウムの化合物が発生してもいるらしいのですが、原因はわからないようです。日本での発電の三十から四十パーセントが原子力発電です。


原子力発電をするという名目で原子爆弾が開発されたり 原子力発電が多くなったため放射性ウランの確保が容易になっている

原子力発電の工業化がなされていなかったら、アメリカ・ロシア以外は原爆が開発できなかったかもしれません。原子力発電が多く行われるようになったというのは「悪のささやき」だったかもしれないと思います。


もっと、危険性の少ない方法でエネルギーを取り出すべきだと考えます

錬金術師は金を作り出すのに失敗しましたが、原子炉を使えば金も作れるようです。しかし、その原料は白金しか使えないらしく、原料のほうが高くなってしまいます。


(第2部)

  現在の生活水準を維持しながら地球環境を改善する方法

風力発電・ゴミ発電・溶鉱炉やコンクリート製造など、高温で生産している装置の廃熱を利用した発電は、日本の発電量の数パーセントにも満たない状況です。

燃料電池が開発されていますが、水素は石油から得られており、その他の燃料を使用しても結局、石油や天然ガスという化石燃料を使うことになるのです。


 石油・石炭・天然ガス(主成分はメタン)を化石燃料というのは、何億年も前から生い繁った植物や当時栄えた恐竜などの動物が、地中深く埋もれて長い年月に変質して出来たといわれているからです。だから、大昔の太陽エネルギーが吸収されて蓄積された状態とも言えるのです。それらを燃やすと炭酸ガス・水ができるだけでなく、大昔の太陽熱まで放出されることになり、地球がどんどん暖かくなるのもあたりまえなのです。そのためにも、早く化石燃料の使用量を減らさなければいけないのです。メタンハイドレードなどという、地下深く埋まっている「氷水に溶けているメタンガス」を取り出そうとするのは、石油や石炭を取り出すのと同様に愚かなことです。


 せっかく余分なエネルギーを化石燃料という形で地中に閉じ込めてくれているのに、それを取り出して使うというのは自然の摂理に反していると思いませんか?
現在、地表で作られている資源、すなわち植物を利用したほうが自然の摂理に適っていると思われます

  エネルギー源・工業原料の転換「植物の有効利用」


植物の主成分
  セルロース(植物繊維の主成分) ブドウ糖―ブドウ糖―・・・―ブドウ糖
         ブドウ糖が六千個以上繋がっている  
         植物の体内で、水分を除くと六十%〜八十%はセルロースである

  でんぷん  ブドウ糖―ブドウ糖―・・・・―ブドウ糖   
         ブドウ糖が百個から十万個繋がっている   
         トウモロコシ・イモ類・米類・麦類に多く含まれている

  植物は水と炭酸ガスと光からブドウ糖を合成している

だから でんぷんやセルロースを燃やしても水と炭酸ガスしか発生しません。 植物の資源化が急がれる訳です。たんぱく質には燃えると酸性の有毒ガスとなるイオウやチッソが含まれるので肥料か飼料に利用する方が良いと思われます。

地球環境を守るための世界会議が数年前京都で開かれ、合意された「京都議定書」では、植物から得られた物を燃やしても炭酸ガスを発生させたとは計算されないし、植林すれば炭酸ガスの発生を減らしたと計算されるようです。

 だからブドウ糖を燃料にする燃料電池が開発されれば、環境改善に大いに貢献すると思はれます。森林は貯水池の役目を果たしますし、温和な気候化に寄与しますので、木材や草の有効利用の研究開発・実用化に国家予算も人材も重点配分すべきと思います。ゴルフ場が開発される前は夏でも水が枯れたことのない近くの小川が、ゴルフ場のために森から芝生になると、夏の水枯れ・大雨後の洪水を起こすように変わってしまったそうです。やはり森は貯水池なのです。

穀物を収穫した残りの茎や葉の利用も含めて植物の資源化が進めば、地域内での自給自足率が高くなるので、過度に貿易量を増やさなくてもよくなります。熱帯地方など後進国でも植林が成功し、資源化の技術が確立すれば、水もエネルギーも工業原料も得られます。無理に農産物を輸出しなくても、豊かに生活できるようになるでしょう。そして、日本への農産物の輸入促進の圧力も減り、農家も助かるようになると予想されます。また、熱帯雨林の伐採による焼畑農業を減らすことも可能になり、それは地球環境の悪化防止に役立つと思われます。但し、人口増加に対する対策は必要でしょう。


利用可能な植物量は石油・石炭・天然ガスの生産量と同じくらいかそれ以上ありそうです

化学工業では高温高圧の反応も多くエネルギーの多消費型でありますが、酵素や微生物を利用すれば一気圧・四十度ぐらいで製造できます。

 セルロースを使った工業は、かっては盛んでした。人絹・スフ・セルロイド・セロハンテープ・セルロース系プラスティック(それについての日本工業規格すなわちJIS規格もあります)などがあります。パラシュートの紐に人絹が使われていた時代もあったそうです。価格・風合いなどで合成繊維に置き換わっていきました。

 トウモロコシでんぷんから作られる、微生物分解性プラスティックが工業生産され始めました。一般に使われているプラスティックの三倍から五倍の価格なのに環境にやさしいとトヨタやユニチカなどの大手企業も実用化に力をいれているようです。トヨタはでんぷん質の多いサツマイモの苗作りからはじめ、その栽培農園も九州に持っているとのことです。価格も大切ですが理念も大事です。そのプラスティックを開発したのはアメリカの会社で、基本的考えは欧米のほうが進んでいるのかもしれません。

 石油などを燃やして発生した炭酸ガスを海水に溶かすことが検討されておりますが、植物の資源化と比べると地球のバランスをとるという点から首をひねってしまいます。火力発電で生じた炭酸ガスをすべて微生物に吸収させる研究も行われています。

以上のことより、もっと多く植物を資源として利用すべきでしょうし、そのための研究開発・技術開発の速度を上げるべきだと思います。製紙会社の技術者によると、現在は木材から直物繊維(セルロース)を有効に分離するのに微生物や酵素を利用するのが一番良い方法のようでいろいろな技術も開発されているようです。


 
ご先祖様のお陰で今の便利な生活がある 子孫により良い地球環境を残してあげたい より多くの人が環境改善に関心をもち真剣に考えてほしいと思います


 自分たちは、先祖のお陰で地下のお宝(石炭・石油など)を使わせていただき、その結果住みにくい地球にしてしまった上、子孫には地下にゴミだけ残したのでは申し訳ないと思いませんか?

 研究者は高い評価を受けたいため、世論に受け入れられ易いテーマを選ぶ傾向があります。今は遺伝子関係のテーマがそうです。技術者の大半は与えられた仕事以外には、自発的に開発テーマを選ぶことが難しいのです。だから世論の働きかけが必要なのです

是非、自然の摂理にかなっている「植物を資源としてもっと多く利用することが促進されるよう」願ってください。

  衆流あつまりて大海となる。微塵つもりて須弥山となれり。日蓮が法華経を信じ始めしは日本国には一滞一微塵のごとし。法華経を二人・三人・十人・百千万億人唱え伝うるほどならば、妙覚の須弥山ともなり、大涅槃の大海ともなるべし。仏になる道は此れよりほかに又もとむる事なかれ。                 日蓮上人 撰時抄にいわく

 

多くの人の理想的な願いは素晴らしい力になるという事です。

 「少欲知足」で控えめの生活を心がけ、植物の資源化がもっと促進されるようを願って下さい 

世界的な視野で考え、経済的発展のみにとらわれずに、地元で質素に生活していく人生も良いのではないでしょうか

追記

この話は師僧である先代の御前さんにして頂きたいと思っておりましたが、お忙しそうでお頼みするのを躊躇しているうちに体調を崩されてしまいました。そこで、「聞法の夕べ」で六月に話をする順番になったとき、この話をしようと思いました。七月にご遷化されてしまいましたので先代の御前さん(法華経寺の前貫首さん)にも聞いていただくつもりであえて難しそうな話をさせていただきました。

平成十五年十月二十五日 海上山 妙福寺「聞法の夕べ」での法話に加筆訂正す

以上


2003.11.3
健康ニュース No.3 残留農薬問題
 過日、日本経済新聞に「厚生労働省は4日、ブラジル産のコーヒー生豆から輸入時の検査で基準値をこえるが残留農薬が検出されたと発表するとともに、同省は輸入業者に届け出1件ごとの自主検査を義務付ける検査命令を出した。基準値を超える農薬が確認された積荷はすべて全量廃棄さまたは積戻しされ、流通していないという記事が掲載された。9月5日のことである。
 
 その後、入手した資料を整理すると、
1.6月26日にブラジル産コーヒー豆から基準値を超える「ジクロルボス」が検出。
2・9月4日にブラジル産コーヒー豆から再び基準値を超える「ジクロルボス」が検出。
3.コロンビア産コーヒー豆からも基準値を超える「ジクロルボス」が検出。
4.ジクロルボス(DDVP)は有機リン系農薬で、毒性は弱く、散布後成分は比較的早く
消失するとされる。なお、ジクロルボスのコーヒー生豆における残留基準値は0.2ppm以下。
5.ブラジル政府は「ジクロルボス」を農薬としての使用を認めていない。
6.倉庫やコンテナのくん蒸(殺虫)としての使用は認められている。
 
 当店で使用しているブラジル産コーヒー生豆のうち、セラードコーヒーとトルマリンコーヒーは農薬としてジクロルボスを使用していないとの回答を得た。今回の残留農薬問題は倉庫やコンテナをくん蒸(殺虫)したものがコーヒー生豆を汚染したらしい。その後発生していないのでもう大丈夫と思うが、関係者には発生原因の特定をお願いしたい。


2003.8.20

健康ニュース No.2 トレーサビリティ
 有機栽培品なら安心だという方は多いでしょう。確かに最近は法律もできて、きちんとしたものがでまわるようになりました。しかし品質や安全性なら有機栽培品という前に、考えておかなければいけないことがありそうです。有機栽培品でも生産者が明示されていないことはよくありますし、有機栽培品ではなくても、心ある生産者はよい品質のコーヒーを創るため、有機肥料を主体とし、減農薬で栽培をしています。

 2003年2月8日の朝日新聞に食品「履歴書」採用進むという記事がありましたが、私はいま本当に必要とされているのは「トレーサビリティ」ではないかと考えています。簡単にいうとコーヒー豆の生産者の顔がわかるということではないでしょうか。
 
 コーヒー生産者でもトレーサビリティをはじめたところがあります。セラードコーヒーです。ここはセラード地帯のコーヒー生産者組合「カセール」(45の農園)のコーヒーを扱っています。2002年のニュークロップからバーコード付品質証明書を発行しています。バーコードつ付品質証明書をみると、どこの農園で生産されたコーヒーかがわかるという仕組みです。これには大きな拍手をおくりたいとおもいます

 キングス・コーヒーではこれまでも農園あるいは生産者がわかるコーヒー豆を販売する努力をしてきましたが、今後さらに増やしていきたいと思っています。


2002.11.04

健康ニュース No.1 はじめに
コーヒーや紅茶が健康に良いということが最近少しづつわかってきました。コーヒーや紅茶と健康の問題について調べたことをこれから随時書いていきたいと思います。